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秋本・なの・康の作詞塾 Part4 〜野望〜2001-09-12

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 ──新天地を求め北海道くんだりまでやってきた秋本。そこで彼は新しい才能(カモ)を発掘するべく、場末のライブハウスへと足を運んだ……──

ロックバンド『バビッド』のメンバー1「今日のライブも最高だったべな」
ロックバンド『バビッド』のメンバー2「んだね。んでもよ、なして客さ集まらねえんだろか」
1「そだよなー、俺達最高の音をもってるっぺよ」
2「んだんだ。みんな見る目がないだ」
1「頑張って俺達の才能認めさして、第二のグレエになるべよ」
2「んだ、松山ぢはるになるだ」

その時、隣りにいた男の携帯が鳴った。

男「シーモー? なんだシンクか、どうしたのよー久ぶりじゃなーい。
 どうなの、最近儲かってるみたいだし、おいしいよねシンクちゃん。今度娘。のメンバー一人回してよー、アハハハハ。で、何よ今日は。ん、俺? 俺は今北海道なんだよねー、そうそう、ちょっと今度組む新しいユニットのメンバー探しにさ。こっちにレッスン用の事務所開いたのよ。ほら、今は地方の時代じゃない? 埋もれた才能を発掘しようかななんて思って、地元のライブハウス巡りしてるってワケ。
 収穫? そうねー、今日なんか『バビッド』っていうバンドは結構良かったね。まだ荒削りだけどいいモン持ってるって感じ? うんうん。取りあえず声かけてみようかなって所かなあ。
 あ、そう? わかったじゃあまた連絡してよ。おうおう、じゃ、娘。の話しシクヨロね、それじゃ」

1「あ、あの!」
2「今の話……シンクて、あのシンクさんの事だべか?」
男「あー聞かれちゃった? まずいなあ〜これオフレコね」
1「ぼ、僕等バビッドのメンバーなんですけど」
男「あ〜! 君かあ、いやいや今日のライブ聞かせて貰ったよ〜」
2「あの、貴方は…?」
男「僕? 僕は秋本・なの・康。作詞家兼プロデューサーさ」
1「秋本ってまさかあの…!!」
秋本「あ〜知ってる? 野犬とか」
1・2「し、知ってます!」
秋本「実は今聞いてたと思うけどね、君達に声かけてみようと思ってたんだよ。君達イイモノ持ってるって感じだし、良かったらこれから僕の元でレッスンを受けて、目途がつけば幾つかオーディションも受けて貰おうかな〜ってねえ、いやもう出来レースだから。形式だけ、ってことで。そしたら即デビューよ」
1「ほ、本当だべか!?」
2「よ、喜んで受けさせて貰うッス!」
秋本「マジ? 良かった良かった、僕もね、君達の才能を北海道だけで終わらせるのはもったいないと思ってたのよ〜。それじゃ明日からレッスンして貰うけど、いいかな」
1・2「はい!」
秋本「あ、そう? いや〜良かった。それじゃ今直ぐ事務所まで来てくれる? うん、契約書にサインして貰うから。ああそれと、レッスン料として一応幾らかかかっちゃうんだけど、イイでしょ? 勿論形だけってことで後々事務所経由で戻るから。レッスン料のほうは。それに僕のプロデュースでデビューすればヒット間違いなしだしね」
1・2「は、はい!」
秋本「それじゃ行こうか!」
1・2「はい! 宜しくお願いします!」

 ──こうして秋本は新たなる生徒(カモ)を獲得し、北の地にてさらなる野望(詐欺)の芽を育てるのであった──

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